この記事では、これから不動産の世界に挑戦しようと考えている方、そして、すでにこの業界で日々奮闘されているプロの皆さんに向けて、私の経験も踏まえながら、この業界の「ホントのところ」と、その中でどうやって成功していくか、その道筋について本音でお話しします。
私自身、この業界に入ったばかりの頃は、華やかなイメージとは裏腹の、地道で厳しい現実に直面し、戸惑うことも少なくありませんでした。だからこそ、「この仕事、手放しではオススメできない側面もある」と感じているのも事実です。
「不動産営業の将来性は?」「理想と現実のギャップが大きい…」「厳しい競争の中でやっていけるだろうか?」
もしかしたら、あなたも心のどこかで、そんな不安や疑問を感じていませんか? その感覚は、おそらく間違いではありません。
この記事では、なぜ今、不動産の仕事が「厳しい」と言われるのか、その具体的な理由をデータと私の実体験を交えながら解説します。そして最も重要なこと、この厳しい競争の中で埋もれることなく、お客さんから「あなたがいい!」と選ばれて長期的に成功し続けるための『たった一つの大事な考え方』について、じっくりお伝えしていきます。
この記事を最後まで読めば、あなたが今後取るべき具体的なアクション、そして変化の激しい今の時代でも、不動産のプロフェッショナルとして輝き続けるための、確かな羅針盤が手に入るはずです。
大前提:目指すべきは「昔ながらの営業マン」ではない!
本題に入る前に、まず大前提として皆さんに共有しておきたい、非常に重要な心構えがあります。それは…
「昔ながらの”営業マン”になろうという考えは、今すぐ捨ててください!」
なぜここまで強く言うのか? その理由は、この記事を読み進めていただければ、きっとご理解いただけるはずです。
不動産業界を取り巻く、無視できない5つの厳しい現実
さて、本題です。なぜ私が「安易におすすめできない側面もある」とまで言うのか? まずは、この業界を取り巻く、無視できない5つの厳しい現実について、具体的に見ていきましょう。
1. 人口減少・少子高齢化:縮小する市場
日本全体の人口が減少し、少子高齢化が進んでいることは、不動産市場にとって大きな向かい風です。特に、これから家を買う中心となる若い世代が少なくなっています。これは、そもそも家を買うターゲット層が構造的に縮小していることを意味します。マーケット全体が縮小していく可能性は、まず認識しておくべき大前提です。
2. 空き家問題の深刻化:供給過多の懸念
全国的に空き家が増え続けている問題も深刻化しています。売りに出されている家だけでなく、放置されている家も含めて増加傾向にあり、結果として市場には売り物件が供給過多の状態になりつつあります。買いたい人よりも売りたい物件が多いという状況は、価格競争を激化させる要因となります。
3. 所得の伸び悩み・ローン問題:買い手の制約
「残業代がカットされた」「働き方が変わって収入が不安定になった」…様々な理由で、顧客自身の所得が伸び悩んでいるケースが現場では多く見られます。私自身、つい最近も、収入が不安定になり希望されていた住宅ローンが承認されなかった顧客がいらっしゃり、胸が締め付けられる思いでした。「以前なら買えたはずなのに…」という状況が、現実に増えているのです。
4. 所有欲求の変化:「所有」から「利用」へ
特に若い世代を中心に、「所有」に対する価値観が大きく変化しています。「車はカーシェアやレンタカーで十分」「家もライフステージに合わせて賃貸を住み替えればいい」といった合理的で身軽な考え方が広がっています。「わざわざ莫大な借金を背負ってまで家を持つのはリスク」と考える層が増えているのも、無視できない変化です。
5. 熾烈な過当競争:ライバルはコンビニの倍以上!
そして、極めつけはライバルの多さです。
- コンビニ店舗数: 約5.6万店 (出典:日本フランチャイズチェーン協会 2024年3月度)
- 不動産業者数: 約13.0万社! (出典:国土交通省 令和4(2023)年度末 宅地建物取引業法の施行状況調査結果)
コンビニの倍以上の業者が、限られた市場で競争しています。私も開業当初、この競合の多さには圧倒され、どう差別化すればいいか本気で悩みました。顧客数が減少する可能性がある中で競合は多い。この状況で成果を出すには、他と同じことをしていては絶対に埋もれてしまうという危機感を持つことが重要です。
厳しい現実を知ると、不安になるかもしれません。しかし、ここで諦めてはいけません。厳しいからこそ、やり方次第で大きなチャンスがあるのも、この業界の面白いところです。ぜひ、ここからの話も「自分ならどうするか?」と考えながら読み進めてみてください。
厳しい時代でも『家』が持つ、3つの本質的価値
では、このような厳しい状況下で、私たち不動産のプロは、顧客にどのような価値を提供していくべきなのでしょうか?
重要なのは、『家』そのものが持つ、時代が変わっても色褪せない価値を、顧客に正しく、深く、伝える力だと考えます。具体的に、3つの側面から見ていきましょう。
価値①:賢く住まう『資産』としての価値
家を単なる「高い買い物(消費)」として見るのではなく、長期的な「資産形成」のツールとして捉え、その経済合理性を具体的に示すことが重要です。特に情報感度の高い顧客や、将来設計をしっかり考えている顧客は、トータルコストや将来価値を重視します。
【例:中古マンションの価格推移】
- 4000万円の新築マンション購入
- 15年後(大規模修繕時期)に半値の2000万円で売却 → 15年間を実質2000万円のコストで居住
- 次に2000万円で購入した人が15年住み、築30年で半値の1000万円で売却 → 次の購入者は15年間を実質1000万円のコストで居住できた!
このように、物件の選び方やタイミング次第で、家を持つことが非常に効率的な「住まい方の選択」になり得ます。私自身、以前この視点で提案したお客様に、後々すごく感謝された経験があります。
<アクションプラン>
物件の目利き力はもちろん、市場動向、金利、税制、維持管理コストなど、多角的な視点から「資産としての価値」を分析・評価できる専門性を磨きましょう。そして、それを顧客の状況に合わせてパーソナライズして提案する能力が求められます。この視点を持てば、あなたは顧客の将来設計を一緒に考える、頼れるパートナーになれます。
価値②:かけがえのない『家族を守る』価値(団信の重要性)
住宅ローンという長期的な負債に対する顧客の不安に応える鍵の一つが、団体信用生命保険(団信)です。「もしもの時に家族を守る」という、団信が持つ本質的な価値を、顧客の気持ちに寄り添いながら丁寧に伝えることが大切です。
団信に加入していれば、ローン契約者に万が一のことがあった場合、残りの住宅ローン残高がゼロになります(※保障内容は要確認)。これにより、残された家族は少なくとも「住む家」の心配からは解放されます。この安心感は計り知れません。私も過去に、団信のおかげでご家族が家に住み続けられた事例を目の当たりにし、この仕事の意義を強く感じました。
しかし、注意点があります。
【実体験】健康でも油断禁物!団信と購入タイミング
この団信、実は「いつでも、誰でも、当たり前に入れるわけじゃない」という現実があります。特に40歳前後になると、健康状態に変化が現れるリスクも。いざ家を買おうとした時に、がんやうつ病などの診断を受けて、団信に加入できない…というケースも残念ながら存在します。
私の友人にも、身につまされる話がありました。彼は絵に描いたような「健康オタク」。食事に気を遣い、週3でジムに通い、健康診断もほぼオールA。ただ、血糖値だけが少し高い年が2年ほど続いていました。そして40歳を迎えた年の健診で、血糖値が異常高値となり、糖尿病と診断され、投薬治療が始まったのです。
そして、最悪なことに、ちょうどその時、彼から「そろそろ家でも買おうかな」と相談を受けていた真っ最中だったのです。結果、やはり糖尿病と投薬治療がネックとなり、団信の審査に通りませんでした。万が一の時の大きな安心を手に入れることができなかった彼は、「まさか自分が…もっと早く、健康なうちに家を買っておけばよかった…」と、本当に、本当に悔やんでいました。
この事例は他人事ではありません。健康に自信がある人でも、何が起こるか分かりません。だからこそ、私たちプロは、顧客の健康状態や将来への不安にも耳を傾ける必要があります。もし、健康に不安を感じている顧客がいたら、「加入できる可能性が高い今のうちに、早めに検討を進めてみませんか?」と、そっと背中を押してあげることも、私たちの大事な役割だと、この友人の一件で強く思うようになりました。
<アクションプラン>
団信の仕組みを正確に理解し、顧客の家族構成や想いに寄り添って、その重要性と加入タイミングのリスクを誠実に伝えるコミュニケーション能力を磨きましょう。あなたが届けるのは、単なる建物ではなく、家族の未来を守る「お城」であり、「安心」という財産です。
価値③:『人生の質(QOL)』を高める価値
ライフスタイルが多様化する現代において、画一的な提案は響きません。顧客一人ひとりの価値観に寄り添い、その人らしい「人生の質(Quality of Life)」を高めるための「住まい方」を具体的に提案することが求められます。
コロナ禍を経て、家は単なる生活の場から、仕事、学び、趣味、癒しなど、人生をより豊かにするための「多機能な舞台」へと進化しました。
- 集中できるワークスペース
- 趣味を楽しむ空間
- ペットと快適に暮らす工夫
- 睡眠の質を高める寝室
これらの変化するニーズ、時には顧客自身も気づいていない潜在的な願いを引き出し、形にする提案力が重要です。以前、在宅ワーカーのお客様にワークスペースのリフォームを提案し、「家にいる時間そのものが本当に楽しくなりました!」と喜んでいただけた経験は、この価値提案の重要性を物語っています。
<アクションプラン>
表面的な要望だけでなく、背景にある価値観まで深く理解するヒアリング力。そして、それを実現するための物件知識、間取り、リフォーム、インテリア等の幅広い知識と提案力を磨き続けましょう。あなたの提案一つで、顧客の人生が豊かになるかもしれません。
目指すべきは「営業マン」ではなく「顧客の伴走者」
さて、ここまで『家』が持つ価値についてお話ししてきましたが、最後に、そしてこれが最も重要な結論です。これからの時代に不動産のプロとして目指すべき姿、それは…
『営業マン』ではなく、『サポーター』であり、『コンサルタント』であり、『伴走者』であるということです。
なぜ「サポーター思考」が重要なのか?(実体験)
正直なところ、不動産業界、特に仲介分野は、他の業界に比べて「サービス業」への転換が遅れていると感じます(※個人の見解です)。私も駆け出しの頃は、自分の成績ばかり考えていた時期がありました。しかし、ある時それではダメだと気づき、考え方を180度改めました。
顧客が本当に求めているのは、売り込みではなく、信頼できるプロからの、フェアで、正直なアドバイスです。人生で最大の買い物かもしれない住宅購入。誰もが不安です。私自身が家を買う立場だったら、やはり色々と聞きたいし、教えてほしい。一般の顧客はなおさらです。その不安な気持ちに寄り添い、必要な知識やアドバイスを、適切なタイミングで提供できる存在が求められているのです。
顧客に感謝されるプロになるために
では、具体的にどうすれば良いのでしょうか?
- メリットだけでなく、デメリットやリスクも正直に伝える誠実さを持つ。
- 目先の契約ではなく、顧客の長期的な利益と満足度を最優先する。
- 常に最新の知識を学び続け、質の高い情報提供・コンサルティングを心がける。
- 契約後も、良き相談相手として長期的な関係を築く意識を持つ。
<アクションプラン>
専門知識の研鑽はもちろんですが、それ以上に、高い倫理観と「利他の心」を仕事の核に据えること。そして、「寄り添い型」「伴走型」のサポートを実践していくことが重要です。このスタンスを貫けば、あなたは必ず、厳しい業界の中でも代替不可能な、価値ある存在として輝けるはずです。
【注意喚起】業界の悪しき慣習に染まらないために
最後に、皆さんがプロとして活動していく上で、絶対に忘れないでほしい注意点があります。それは、業界の古い「当たり前」や「昔ながらのやり方」に、決して染まってはならないということです。
残念ながら、この業界には、いまだに顧客不在の考え方や、情報の非対称性を利用するような古い体質が残っている側面もあります。私自身も、「それは違うんじゃないか?」と感じる場面に遭遇したことがあります。
しかし、断言します。そんな古いやり方は、これからの時代、絶対に通用しませんし、淘汰されていきます。顧客からの信頼を失えば、長期的に見て必ず破綻します。
どんな時も、顧客の方を向き、誠実であり続けましょう。それが、遠回りに見えても、最も確実にプロとして成功し続けるための道だと信じています。
まとめ:覚悟と希望を持ってプロの道を歩む
さて、今日は不動産業界の厳しい現実から、成功するための本質的な考え方まで、幅広くお話しさせていただきました。
厳しい話も、希望の話もしましたが、私が一番伝えたかったメッセージはこれです。
「厳しい現実からも目をそらさずに、時代の変化をちゃんと捉えて、常にお客さんのために何ができるかを考え続けること。そして、単なる『営業マン』じゃなくて、お客さんの人生に寄り添う『本当の味方(サポーター)』になるんだっていう覚悟を持つこと。」
これこそが、これからの時代に不動産のプロとして輝き続けるための、一番大事な『本質』だと、私は本気で思っています。
この仕事は決して楽ではありません。私も多くの失敗と試行錯誤を経て今があります。しかし、顧客の人生の大きな決断に立ち会い、夢の実現をサポートできる、本当にやりがいのある素晴らしい仕事です。
この記事でお伝えしたポイントを、ぜひ明日からの仕事に活かしてみてください。
- 業界の厳しい現実(5つの向かい風)を直視し、戦略を持つこと。
- 家が持つ3つの本質的価値(①資産、②家族を守る、③QOL向上)を深く理解し、
顧客に伝えられること。 - 目指すべきは『営業マン』ではなく『顧客の伴走者』であること!
あなたのチャレンジを、心から応援しています!

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